歯科コラム

入れ歯は自分の歯と同じように使えると思っている方も多いかもしれませんが、実際に使い始めるとさまざまな問題が出てきます。入れ歯が合わないと、食事や会話に支障をきたすだけでなく、全身の健康にも影響を与えることがあります。今回は合わないない入れ歯のよくあるお悩みついてお話します。

・入れ歯で痛みがある

入れ歯が歯ぐきや粘膜に当たって痛みを感じたり、噛み合わせが悪くて歯や顎に負担がかかったりすることがあります。痛みの原因は、入れ歯の土台部分の形や人工歯の噛み合わせが適切でないことによることが多いです。

 

・吐き気がする

入れ歯の土台部分が喉に当たって吐き気を感じることがあります。これは、上の入れ歯の奥が長く作られていたり、下の入れ歯に余計な部分があったりする場合に起こりやすいです。

 

・口元にしわができる

入れ歯が合わないと、口元に力を入れて入れ歯を固定しようとしたり、口角を下げて入れ歯を押さえようとしたりする癖がつくことがあります。これによって、口元にしわやたるみができてさらに老けて見えることがあります。

 

・話しづらい

合わない入れ歯で生活をしていると発音しづらかったり、舌の動きが制限されたりすることがあります。これは、人工歯の高さや長さ、上あごのベース部分の厚みなどが適切でない場合に起こりやすいです。

 

・外れやすい

食事や会話中に入れ歯が落ちてしまったり、音を立てたりする恥ずかしい思いをすることがあります。原因は土台部分の形や、人工歯の噛み合わせが適切でないことや、部分入れ歯の金具が緩んだり劣化したりすることなどによることが多いです。

入れ歯が合わないトラブルは、放置しておくと悪化してしまう可能性が高いです。また、自己判断で入れ歯安定剤を使ったり、入れ歯を削ったりするのも危険です。入れ歯安定剤は短期的な応急処置にはなりますが、長期的に使うとあごの骨に余計な負担がかかってしまいます。入れ歯を削ると、入れ歯の強度や形が変わってしまい、かえって合わなくなることもあります。歯科医院では入れ歯やそれぞれの口腔内の状況によって以下のような対応を行います。

 

・調整

入れ歯のベース部分や人工歯の噛み合わせを高くしたり低くしたり、左右のバランスを整えたり、長さや厚みを調整したりすることで、適切な形や大きさにすることができます。また、部分入れ歯の金具を新しく作り直したり、入れ替えたりすることもできます。

 

・修理

入れ歯にひびが入ったり、欠けたり、折れたりした場合は、修理することで元の状態に戻すことができます。また、長く使っているうちに入れ歯と歯ぐきの間に隙間ができてしまった場合は、空いた部分に素材を足して調整することもできます。

 

・作り直し

入れ歯のベース部分や人工歯の形や設計自体に問題があったり、修理や調整に限界があったりする場合は、新しく作り直す必要があります。作り直す際には、自分のお口に合った素材や種類の入れ歯を選ぶことが大切です。