歯科コラム

歯が痛いとき、あなたはどうしますか？虫歯だと思って歯医者に行く人もいれば、痛み止めを飲んで我慢してしまう人もいるでしょう。しかし、歯の痛みには様々な原因があります。虫歯だけでなく、歯周病など、歯以外の部分にも問題があるかもしれません。また、痛みの場所や種類によっても、適切な治療法が異なります。今回は、さまざまな歯の痛みについてお話します。

歯そのものが痛む場合は、主に虫歯や歯髄炎が原因です。虫歯は、歯の表面のエナメル質や内側の象牙質が細菌によって溶かされてしまう病気です。虫歯が進行すると、歯の中心にある歯髄にも影響が及び、歯髄炎を引き起こします。歯髄炎は、歯の神経や血管が炎症を起こす病気です。

 

◎歯そのものが痛む場合の痛みの特徴

・冷たいものや甘いものがしみる

・温かいものもしみる

・ズキズキとした痛み

・痛みの場所が特定しにくい

・ひどくなると頭痛もする

 

歯そのものが痛む場合は、虫歯や歯髄炎が進行すると、歯を失う危険性があります。また、歯髄炎が悪化すると、歯根の先から細菌が血液に入り込み、全身に感染する恐れもあります。そのため、痛みを感じたら、早めに歯医者に行って治療を受けることが大切です。

歯の周囲や歯肉が痛む場合は、主に歯周病や根尖性歯周炎が原因です。歯周病は、歯と歯肉の間にある歯周ポケットに細菌が溜まり、歯肉や歯を支える骨が破壊される病気です。歯周病が進行すると、歯がグラグラになったり、抜け落ちたりします。根尖性歯周炎は、歯髄炎によって歯髄が死んだ後、歯根の先に炎症が起こる病気です。根尖性歯周炎が悪化すると、歯根の先に膿が溜まり、顎の骨に穴が開いたりします。

 

◎歯の周囲や歯肉が痛む場合の痛みの特徴

 

・噛むと痛くなる

・歯が浮いた感じがする

・歯肉が赤く腫れる

・歯肉から膿や血が出る

・悪臭がする

歯の周囲や歯肉が痛む場合は、歯周病や根尖性歯周炎が進行すると、歯だけでなく、顎の骨や全身の健康にも影響が及びます。そのため、痛みを感じたら、早めに歯医者に行って治療を受けることが大切です。

別の箇所が疾患を抱えている場合は、歯に原因がないにもかかわらず、歯に痛みを感じる状態です。これを非歯原性歯痛といいます。痛みの原因には筋肉、神経、心疾患、副鼻腔炎などが関与しています。

この場合歯に原因がないので、歯医者だけでは解決できません。痛みの原因となる疾患を見つけるために、他の専門医にも相談することが必要です。また、痛みはストレスや緊張によっても悪化することがあります。そのため、リラックスすることも大切です。