歯科コラム

根治とは正式名称は根管治療。歯の根の治療のことです。虫歯が神経にまで達してしまった場合に行う治療です。歯の根の中にある神経を取り除き、細菌に感染した根管を洗浄・消毒し、薬を詰めることで、歯を残すことができます。しかし、この治療は一筋縄ではいかないもので、根管の形や数、歯の状態などによって、治療回数や期間が大きく変わってきます。では、根治するまでにどのくらいの期間が必要なのでしょうか？

一般的に、根管治療に必要な回数は2～4回程度と言われています。しかし、これはあくまで平均的な数字であり、個人差があります。根管治療の回数や期間に影響する要因は以下のようなものがあります。

 

・歯の種類

前歯や小臼歯は根管が1～2本で比較的シンプルな形をしていますが、大臼歯は根管が3～4本で複雑な形をしています。根管の数や形が多く・複雑であればあるほど、治療が難しくなります。

・根管の状態

根管は細く曲がっていたり、枝分かれしていたり、硬く塞がっていたりすることがあります。これらの場合、根管の中をきれいにするのに時間がかかります。また、根管の先に膿が溜まっている場合や、歯の根が割れている場合も、治療が困難になります。

・初回治療か再治療か

根管治療を初めて行う場合は、神経を取り除き、根管を洗浄・消毒し、薬を詰めるという流れになります。しかし、一度根管治療を受けた歯で虫歯が再発した場合は、再治療が必要になります。再治療の場合は、被せ物や土台を外し、中に入っている薬を除去するという工程が追加されます。これらの作業は非常に繊細で時間がかかります。

上記の内容から、根管治療の回数や期間以下のようなイメージになります。

 

・前歯や小臼歯の初回治療：1～2回、約1ヶ月

・大臼歯の初回治療：2～3回、約1～2ヶ月

・前歯や小臼歯の再治療：3～4回、約2～3ヶ月

・大臼歯の再治療：4～5回、約3～4ヶ月

 

これらはあくまで目安であり、個々の症例によって異なります。また、治療回数や期間を減らすことは可能ですが、それは根管治療の質を落とすことにつながります。根管治療は、根の中を完全に消毒しないと、再感染や炎症のリスクが高まります。そのため、根管治療には時間と手間がかかりますが、それは歯を長持ちさせるために必要なことなのです。