歯科コラム

歯周病は、口の中だけでなく、全身の健康にも様々な影響を与えることが分かっています。では実際どのように影響があるのでしょうか。今回は歯周病と全身疾患の関連について解説いたします。

◎心疾患・脳血管疾患

歯周病菌は細菌です。その細菌が血液に入ると、血管の内壁を傷つけて動脈硬化を進行させます。また、血栓ができて心臓や脳に詰まると、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす可能性があります。

 

◎糖尿病

歯周病菌は、インスリンの働きを悪化させて血糖値を上げます。また逆に糖尿病の方は唾液の分泌量が少なくなったり糖分の濃度が高くなることによって口腔内環境が悪化し歯周病になりやすいです。

 

◎骨粗鬆症

骨粗鬆症はエストロゲンというホルモンの減少が一つの要因ですが、エストロゲンの減少は炎症を起こしやすく歯周病を悪化させます。また骨の状態が弱いことから歯も抜けやすい状態になります。

 

◎誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎は菌が食べ物や唾液と一緒に気管や肺に入り込んで感染を起こします。特に、高齢者は免疫力が低下しているため、重篤化しやすいです。

 

◎低体重児早産

歯周病菌は、子宮収縮を促したりして、早産の原因となります。リスクは7倍近くといわれています。

 

◎アルツハイマー型認知症

歯周病菌にはいくつか種類がありますが、その中のポルフィロモナス・ジンジバリスという菌は、アルツハイマー型認知症を進行させるといわれているアミロイドβの産生を促進するといわれています。

◎歯磨き

歯磨きは、歯周病の原因となる歯垢や歯石を除去するために重要です。歯磨きは、毎食後や寝る前に行い、歯と歯ぐきの境目にブラシを当てて細かく動かします。力を入れすぎないように注意しましょう。

◎歯科医院で定期的に検診やクリーニング

自分で磨ききれない部分や歯周ポケットに残った歯垢や歯石は、歯科医院で専用の機械で除去してもらう必要があります。定期的に受診することで、歯周病の進行を防ぐことができます。

 

◎生活習慣の見直し

喫煙や偏った食生活、ストレス、睡眠不足などは、口腔内の環境を悪化させて歯周病のリスクを高めます。規則正しい生活を心がけて、健康的な食事や適度な運動、十分な睡眠をとりましょう。